#18 撮影日誌② 

2013年6月10日

5月21日(月)。

今日から4泊5日の行程で、かなりの量の場面をこなさなければならない。クランクインからアップまで約1ケ月間あるが、インパルスのレギュラー番組の合間を縫うので、実質の撮影日数は17日間である。

東名高速・御殿場ICから富士山麓へ入る。ラジオから、もうすぐ「金環日食が始まるので、運転に注意」という情報。
午前中は、竹内と阿部のふたりがバス停で「張り込み」をするシーン。大型のファンを回し、雨を降らす。午後、バス停の場所を変え、ふたりが始めて「自殺志願者」を発見し、樹海内に突入していく場面。

2004年当時、ドキュメンタリーロケで実際に使っていたソニーの小型カメラをふたりに持たせ、彼らが撮った映像も映画の中に挿入する事を伝える。

つまり、撮影しているフリをするのではなく、実際に撮影させる、という方法。

 

s-0521-カメラを構える2人-_MG_9613

自殺志願者の中年男に湯沢勉を配役。湯沢氏は師匠・黒木和雄監督の名作「祭りの準備」(ATG 1975年)に、障害を持つ仕立て屋役で出演している。その頼りない弱弱しい姿がとても印象的だった。しかし、何せ30年以上前の映画であり、その俳優の名前が思い出せない。今でも俳優をやられているかさえ判らない。根気よくタレント名鑑をめくっていくと見覚えのある写真が載っていた。すぐにキャスティングの藍澤プロデューサーにコンタクトをとってもらった。

中年の自殺志願者を演じた湯沢 勉

中年の自殺志願者を演じた湯沢 勉

湯沢勉とは衣装合わせでお会いした。「よく私の事を思い出してくれました。気味が悪いほど嬉しいです」と。湯沢氏はロケ現場においても様々なアイディアを持ちこんで下さったが、時間との闘い・・・私が消化出来ずに申し訳ないことをした、と思っている。

インパルスに撮影させた実際の映像をインサートとして使用した。

インパルスに撮影させた実際の映像をインサートとして使用した。

遺留品の中で、一番不気味だったのは靴だった。

遺留品の中で、一番不気味だったのは靴だった。

 

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